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【電験法規計算問題】過去問を20日で攻略「発電所の負荷持続曲線」(1日目)

法規の計算問題で点を取る

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本記事では「発電所の負荷持続曲線」の計算をマスターして頂く。


負荷持続曲線という言葉は、正直聞きなれない人もいるだろう。現場施工や機器設計の仕事をしている日常では特に知る必要もないし、活用の用途もない。


だが、系統運用の仕事をしている方は必要になる。実際に自家用水力発電所を運用するとなれば、今回紹介する問題のような負荷曲線は作成しなくてはならない。


電気主任技術者として、どういった職業に就くのか決まっている人の方が少ないと思うので、幅広く学んでおいた方が間違いなく良いだろう。

 

曲線違いで「日負荷曲線」

電験ではいくつか曲線が登場するのだが、特に混乱しやすいのが日負荷曲線。先に整理しておこう。

日負荷曲線とは「需要カーブ」のことだ。

身近で見かけるとすれば「変圧器の日負荷曲線」だろう。

 

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出展元(変圧器の日負荷曲線とは - E&M JOBS

 

要は「時間あたりの負荷量が把握できる曲線」のことである。

 

 

次に「日負荷曲線」に合わせて「電力供給曲線」についても押さえておこう。


「供給する電力量の総和が供給力の種類別で確認できる曲線」のことだ。

下記の図が分かりやすい。

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出展元(九州電力 電気の使われ方と電源構成

 

 

「供給力の種類」と記述したが、どういった意味かというと

具体的には下記の種類があって
「火力発電」
「水力発電」
「風力発電」
「原子力発電」
「太陽光発電」
「地熱発電」

発電形式の違いを意味している。



言葉の定義はきちんと押さえておこう
(試験では、問題文に意味がわからない単語が入っていると、点を落とす確率が上がる)

 

発電所の負荷持続曲線

それでは本題の曲線の解説をする。

下記の例題を考えてみて欲しい。実際に電験で出題された問題をアレンジしている。


自家用発電所を有し、電力会社と常時系統連系しているプラントがある。1日の負荷持続曲線は下記の図の通りであり、需要電力を上回ったときに電力系統に送電する。

ある日の発電所の出力が10000kWであったとき、電力会社へ1日の間で送電した電力はいくつか。正しい送電電力量[kW・h]を選べ。

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※負荷持続曲線の式は次式を使うこと
P=15000-400t

P:負荷[ kW ]
t :時間[ h ]

(1)20000 
(2)22500
(3)23500
(4)25500
(5)26500

 

 解答

送電電力量を求める問題だ。

問題文が丁寧ではないので、かなり分かりにくい。負荷曲線が何なのかわかっていないと、何をどう求めたら良いのかわからないだろう。

系統図でも書いてくれればわかるのだが、電験法規の計算にはこういった問題が多い。


要は「発電設備+負荷(モータ等)」をもったプラントの話をしているのだ。



下記のような考え方で、計算していけばいい。

①負荷需要が10000kWを下回る時間を求める。

10000kWを下回ってくれれば、プラント内で余剰電力が生じる。つまり送電できることになるので、計算するために時間を求めておく必要がある。


②送電電力量の総和を求める

送電開始から24時までの電力積算量を計算してやればいい。

 

 

 

言葉で説明すると、結構理解に苦しむので図で説明していく。

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この着色部の電力量を計算することで、送電電力量が求まる。

三角形の計算なので「たて×よこ÷2



早速計算だ!!と解き始めて躓く人は結構いる。負荷曲線の式の使い方がよくわからないためだ。そのあたりを詳細に説明していくので安心して欲しい。

 

三角形の「たて」を求める

三角形の計算をするためには「たて」と「よこ」がわからないと計算できない。まずは赤丸部分の値を求めてみよう。

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「P=15000-400t」のtに24を入れてやる。

そうすることで、24時間地点のPを求めることができるのだ。


5400kW


5400kWがわかれば、三角形の「たて」を求めることができる。

10000-5400で4600だ。

三角形の「よこ」を求める

負荷需要が10000kWを下回る時間を求める。

「P=15000-400t」のPに10000を入れてやる。

 

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P=10000=15000-400tとなり、t=12.5が求まる。

着色部の三角形のよこの長さとしては24-12.5より11.5

 

送電電力量の総和を求める

着色部の三角形の面積が送電電力量であるので

4600×11.5÷2=26500

 

よって、答えは(5)となる。

 

まとめ

以上、電験法規の計算問題を20日で攻略する「発電所の負荷持続曲線」の記事となります。

法規の計算1日目、いかがだったでしょうか。

初見で解くことができて手ごたえがあった方もいれば、初見では解けなったという方もいるでしょう。


現時点で解けなくても全然いいです。問題ないです。


今日この記事で計算方法を学び、三角形の計算で求めだすことを理解してもらえれば、合格には確実に近づくことができたからです。

約20記事で法規の計算はマスターするでしょう。
法規の計算問題は配点も大きいので、確実で得点源にして合格しましょうね。


今日もお疲れ様でした。

 

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