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【電験法規計算問題】過去問を20日で攻略「変圧器の電力損失問題」(6日目)

「変圧器の容量に関する計算問題」

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本記事では「変圧器の電力損失の計算」が解けるようになる。

損失の学習は「機械科目」で既に行っているかもしれないが、法規でも出題される。

無負荷損と負荷損の内訳をきちんと答えられるだろうか。この辺りが曖昧だと解けない問題がある。


損失はバラバラに覚えるのではなく、定義を押さえて全体的に覚えると記憶に残りやすい。参考書によっては図をつけていたりするので、自分の好みに合わせて取り入れていくといいだろう。

自分の経験談

自分は機械分野の学習をしている時、変圧器の損失を図で覚えようとした。復習を何度もしたのだが、結局忘れてしまうことを繰り返した。

そこで従来の勉強のやり方を辞め

「損失の意味を理解するようにした」


そうしたところ、記憶から抜け落ちることが激減した。試験まで1ヶ月あるので、忘れがちな方は試してみるといい。

具体的には、まず

・「無負荷損」と「負荷損」とは何なのか

・なぜ二つの損失に分けなくてはいけないのか

を整理してみよう。

そこからそれぞれの損失を学んでいくといい。

変圧器の損失

 

変圧器の損失には
「無負荷損」「負荷損」がある。

二つの損失の決定的な違いは「負荷電流の有無」だ。
ここをバシッと答えられるようになると、このあとの内容もスッと入ってくるのでしっかりイメージを掴んでおくこと。

 

「無負荷損」について

一定周波数の電源電圧が一次側に印加されている限り、二次側の負荷の有無にかかわらず変圧器内で発生する「一定の損失」をいう。

損失はさらに3つ(正確には4つ)に分けられる。

①鉄損(渦電流損、ヒステリシス損)
②誘電損
③漂遊無負荷損

 

※支配的な損失は鉄損だ。そのため、法規では「鉄損」でとどまることが多い。

 

「負荷損」について

変圧器に負荷電流を流すことにより発生する「電流値に依存する損失」をいう。巻線中の抵抗損および渦電流損、ならびに構造物、外箱などに発生する漂遊負荷損からなる。


①銅損
②漂遊負荷損

 


※銅損は「電流の2乗×抵抗値」で求まる。負荷比という言葉が使われることがあるが、要は「電流が半分になったら損失はどうなるか?」ということをまとめただけである。電流が半分になったら、銅損は1/4になる。

「負荷比=負荷電流/全負荷電流=負荷容量/全負荷時の負荷容量

「銅損=(負荷比の2乗)× 全負荷時の銅損」

 

変圧器の損失問題

出題傾向をみていくと「1日の損失を求める問題」「負荷比を使う問題」「全日効率を求める問題」 に分けられる。

全日効率は少しややこしいので、別記事できっちり学ぼう。一気にやっても混乱する。

問題①

ある単相変圧器(定格容量10kV・A,定格二次電流100A,定格負荷時の銅損330W,定格電圧時の鉄損120W)が下記の負荷条件で運転したときの1日の損失電力量[kw・h]の値を選べ。(負荷力率は100%とする)

<運転条件>
 0時-6時 :2kW
 6時ー12時:6kW
12時ー18時:8kW
18時ー24時:4kW



(1)3.26 (2)4.26 (3)5.26 (4)6.26 (5)7.26
 

解説

答えは(3)。

これ系の問題はまず「鉄損」を整理してしまおう。

1日は24時間。負荷によって鉄損は変化しないので
「鉄損=120×24=2880w・h」



次は、銅損を求める。
時間帯ごとに、負荷比が変化することを認識すること。ここを理解できれば自ずと式を立てることができるだろう。


今回の問題は6時間ごとに負荷が変化しているので、式も分かりやすい。括ってしまうことができる。

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計算すると、銅損は2376W・hとなる。

 

損失電力量の総量は鉄損と銅損の和であるので、2880+2376=5.256W・h。

 

問題②

ある変圧器(定格容量5MV・A、全損失が全負荷時50kW、ハーフ運転時20kW)が遅れ力率0.6の負荷(有効電力2MW)に電力供給していたとする。そこで力率を改善するために、改善用コンデンサを投入したところ、力率は0.8となった。変圧器の軽減された電力損失量を選べ。

 

(1)1.8 (2)3.8 (3)5.8 (4)7.8 (5)9.8

 

解説

答えは(4)


この問題は正直難しい。ただ一気に簡単にする言葉がある。

力率改善前の負荷、力率改善後の負荷はいずれも
「全負荷時」でも「ハーフ運転時」ではない


ということだ。ここがわかれば解法が見える。


①定格銅損を求める

②負荷比を求める(力率0.6と力率0.8の場合をそれぞれ)

③定格銅損に負荷比をかければ銅損は求めることができる。


何度も繰り返すが、鉄損は負荷変動では変化しない。

 

つまり、この問題の答えを求める鍵は「銅損」にあるということだ。

 

追加ヒント

さらに、問題文で分かっているのは「全損失」

 

試験本番は上記の内容をしっかりと書き綴ろう。現状わかっていることを文字に起こすことで見えてくるものがある。

 

それでは答えに入っていく。

損失は鉄損+銅損。
そして、鉄損は変化しない。

連立方程式を立てれば、銅損を求められそうではないか??



全負荷時の損失の式は
50=鉄損+定格時の銅損


ハーフ運転時の損失の式は
20=鉄損+負荷比^2乗 × 定格時の銅損

※ハーフ運転なので、負荷比は1/2。

 

この2つの式の連立方程式を計算すると、定格時の銅損が求まる。40kW

 

力率0.6のときの銅損

負荷の皮相電力=有効電力/cosθ=2/0.6=10/3=3.33333MV・A

銅損=(3.33333/5)^2 ×40=17.8kW

 

力率0.8のときの銅損

負荷の皮相電力=有効電力/cosθ=2/0.8=2.5MV・A

銅損=(2.5/5)^2 ×40=10kW

 

 

鉄損は変化しないことから、銅損の変化がそのまま変圧器の軽減された電力損失となる。

従って7.8kW。

 

まとめ

以上、過去問を20日で攻略「変圧器の容量問題」(6日目)となります。

変圧器の損失計算はいかがだったろうか。
2問目の問題は難しかったですが、最近の法規の問題は難しいのでこの記事で慣れてもらえると幸いです。


「1/2運転している」「全負荷運転」「力率0.8の負荷を繋ぐ」といった言葉は全て違う意味を持っていることは覚えておこう。


「力率が変わることは負荷比が変わること」でもあるので、認識しておいて欲しい。

 

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