お疲れ様です。
電験と電気業界の研究を続ける桜庭裕介です。
今日は「電験とエネ管の同時受験」について、考えていきます。
自分としては現在
「頭の良い方以外は少し控えた方が良いかもしれない」といった考えを持っています。
この考えについて、深堀していきます。
ひと昔前、電験とエネ管の同時受験が流行
「王道」とも言われるほど、同時受験は流行していました。
その名残もあり、今でも同時受験をするか悩んでいる方をTwitterでも見かけます。
同時受験は成功する??
完全な統計を取ったわけではありませんが、身近の人には「両方合格の人はいない」といった結果になっています。(Twitterでは報告されているのを見ました)
この2つの資格は年々、難易度が高まっている傾向にあります。(過去問と同じ問題が出題されにくいといった特徴があります。)
冷静に分析をすると
「厳しい」
という見方が正しいでしょう。
✔電験とエネ管の同時合格する人は総じて優秀
この言葉こそが的を得ていると思います。
自分は優秀ではないので、多分両方同時合格は無理です。というより、時間的に無理だと判断せざるを得ない。
電験3種で1000時間。少なくても500時間は必要。(1科目あたり100時間ちょっとで6割取れるようにならないといけないって、結構大変ですよ。教科書のページ数も300ページはある)
電験2種だと1500時間は必要。(機械科目「制御」で必須となる積分学習ですら、10時間は確保しておきたい)
ここにエネ管の学習を入れ込むとなると
「厳しいな・・・」となる方が出てくるかと思います。(土日のうち、1.5日は家族サービスしないといけない場合もありますし。)
そもそも電験の難易度が上がりすぎ
ストレートな表現をしてしまうと、これが原因です。
「俺は電験3種とエネ管の同時合格したぜ!」という方は、10年以上前の話だったりします。
10年前の電験3種は理論もまだ過去問から同じような問題が出ていましたし、法規も過去問学習のごり押しで合格ができた時代。
このあたりを比較せずに、同じ勉強方法を取ると「二兎を追う者は一兎をも得ず」といったことわざ通りになってしまう可能性が出てきます。
エネ管の熱分野は難しい
ここを見落とす人は多いのですが、エネルギー管理士の熱問題はかなり難しいです。
熱サイクルは難しいジャンルなので
その計算問題の習得となれば、時間がかかります。
至極当然のことですね。(エネ管の勉強に苦戦して落ち込む人がいますが、認識ズレを起こしている可能性があります)
さらに、もう一つ問題があります。
電験にはそこまで深い熱問題が出ない
熱分野は、電験には毎年出題されるわけではありません。
しかも、エネ管ほどマニアックな問題は電験に出題されません。がっつり計算する問題は2種でも稀です。
出題分野が被っているから・・・といった「目次を単純にチェックしただけの分析」は【甘い】と言わざるをえません。
※試験分析は、勉強スタイルの方針に影響するものなので、きちんとやらないといけないといった良い例でしょう。
転職用の資格なら、どっちか持っていれば良い
以前、転職業界を調査した結果を報告した際に
「資格は組み合わせが大事」だとお伝えしました。
転職で大きな武器になる為です。
TOEIC800点
英検2級
電験
危険物取扱者
ボイラー技士
エネ管
これだけ並んでいれば、企業側は書類選考だけで落としません。
ただし
危険物取扱者
だけだと、書類選考で落ちる可能性があります。
難易度の低い資格で、希少価値を作り出せていないためです。
一方で「危険物取扱者」「ボイラー技士」の資格は、実際めちゃくちゃ使えます。企業側も分かっています。
しかしながら「転職者枠で採用するほどではない」ということです。今いる従業員に取らせれば済む話だからです。
企業としては、転職者には「特別なもの」を持っておいて欲しいと考えています。(自分がオーナーの立場になると、確かにな・・と思うでしょう)
電験とエネ管はどちらも「難易度高」の資格。
どっちかあれば、十分なぐらい企業側は評価してくれます。
つまり
・電験orエネ管(難易度高の資格)
・〇〇(難易度低の資格)
・△△(難易度低の資格)
といった資格欄を作り上げれば、一気に転職を攻略できるようになります。
あとは業務経歴書を工夫すればOK
資格欄が十分であれば、あとは業務経歴書。
「今までやってきたこと」
「成してきた成果」
これらと資格を紐づけていければ、志望動機にまでも深みが出て、説得力が高まります。
【NG例】
机上業務をアピールする業務経歴書を作り上げてしまい、危険物取扱者やボイラー技士の資格と紐づけされていない
これは良くないです。
企業側から確実に「どうして、この資格取ったの??」などと質問責めされて沈没するのが、目に見えています。
「努力を見てください!」という戦法もありですが、通用しない担当官もいるので注意。
5年以上勤務経験がある転職者は「業務経歴と資格と志望動機の関連性」に注意を払うべきです。
ここを気を付けると、転職は上手くいきます。