「電線の太さが覚えられません。何とかして下さい!!!困ってます」
こんな依頼が届いた。
依頼が届くことは嬉しいことである。自分も記憶力が良い方でないことは周知の事実だ。
実際、記憶力がよければ1000時間も2000時間も電験1種に費やしてなどいないだろう。
大学まで電気の学習をしてきて、散々過渡現象、ラプラス変換、電気回路計算、電磁気をやってきたのに膨大な時間を投入しているというのは生物学的に見てもかなりマズイと思う。
昔ならとっくに寿命を迎えてしまっているレベルだ。
だが、そんな自分だからこそ、どうやって覚えているかを伝えることに価値がある。
ここに気が付いたのは2年も前の話なのだが。
それが「自分の原点」でもある。
原点に関連して、少し自分の話をする。
現在は「オンライン塾」という看板を掲げている。
これは一切の広告を打っていない。
大量の勉強資料の中に埋もれている記事なのだが、これにも意味がある。
本サイトの読者であるならば、意味を理解して頂けると思う。
Twitterに寄せられる「変な質問」をカットする為のモノであったのだ。
自分としては「勉強を教える対価」として一律500円という設定でやらせてもらっていた。しかし、質問を請けたらその回答は500円どころではない回答を返すのは言うまでもない。感謝の気持ちを込めて100%全力投球の回答だ。人生相談にまで乗るくらいである。
しかしながら、こういうアバウトな個人塾をしていると悪質なユーザーも現れる。
自分は頂いたお金は全額社会福祉もしくは被災地支援にまわすことを決めている。
何故なら収入源は「Google広告」「依頼された労働」で得ているからである。贅沢をしなければ暮らしていけるというわけだ。(国外や企業からお金を頂く力を強くして、フォロワーや読者がほぼ無料で学べるような環境を作り出すのが理想。年収1000万円超の老人を沢山保有している力技の安泰企業から現場で働く人に資金を配分してやりたいというのが最大の想い)
将来はオフラインの塾が形となり、受講生100%合格で全員で集合写真を撮りたい。これもまた夢である。
夢、目標の話をしてしまったのだが、今試験直前にすべきことは「これまでの復習」である。
個人差はあるが電験のウォーミングアップは1週間かかると考えておいた方がいい。淡々とやろう。
伝えておきたいことをババッと書いたが、本題に入ろう。
電線の太さ問題
ここを押さえておくと不安感がなくなるのでオススメである。
そして、個人的だが「独立して一人で事業する」という感覚も大事かもしれない。
現実会社に属していると、線は何となく会社が用意してくれているし、正直ミスをしても食事ができなくなる状態(仕事を完全に失う)ことはない。
一人でちゃんと準備をして作業できるか??という観点で法規を勉強するとめちゃくちゃ焦りを感じると思う。
正直理解しきれないし、現場作業を責任もって完了できるか不安になったりもするだろう。
この感覚で学べば恐ろしく吸収率は上がるからやってみて欲しい。
架空電線
■300V以下の低圧
絶縁電線(硬銅線)を使うなら「直径2.6mm」
硬銅線以外使うなら「引張強さ2.3kN」
多心型電線(硬銅線)なら「直径3.2mm」
硬銅線以外使うなら「引張強さ3.44kN」
■300V超過の低圧と高圧
絶縁電線を使うなら「硬銅線直径5mm」
その他の線なら「引張強さ8.01kN」
※市街地の外はもうちょっと緩い。
絶縁電線を使うなら「硬銅線直径4mm」
その他の線なら「引張強さ5.26kN」
こんな細かいの覚えられるか!となるが、実際、電線は金がかかる。もし、個人で仕事をすることを考えた場合、利益に直結する。安全にも影響してくる。
そう考えると、5mmと4mmは意外と覚えられるぞ。
架空電線の間隔
低圧の場合、制限がない。
つまり、問題として登場する際、必ず高圧なのである。
(問題文を読んでいると急に高圧の話をし出すのでなんなん?と思った人もいるだろう。苛立つ気持ちは重々承知である)
高圧には制限がある。
■木柱、A種鉄柱、A種鉄筋コンクリート柱を使う場合
一般的に「150m」
長径間「300m」
■B種鉄柱、B種鉄筋コンクリート柱を使う場合
一般的に「250m」
長径間「500m」
■鉄塔
600m
長径間は2倍と覚えておけばよい。が、数値が覚えにくい。
A種は100m走ぐらいのイメージを持っておくといい。
B種はその2倍というイメージだと、電験3種の選択肢で大きく惑わされることがない。オーダーで捉えるという戦略を採るといい。
保安工事
これがこのあたりの知識をひっかきまわしていると自分は考えている。
高圧架空電線路を工事する際の決まりなのだが、数値がいちいち鬱陶しい。
電線はケーブルを除き、引張強さ8.01kN以上のものまたは直径5mm以上の硬銅線を使うこと。
径間としては下記の通り。
■木柱、A種鉄柱、A種鉄筋コンクリート柱を使う場合
一般的に「100m」
■B種鉄柱、B種鉄筋コンクリート柱を使う場合
一般的に「150m」
■鉄塔
400m
※電線に引張強さ14.51kN以上のものまたは断面積38mm2以上の硬銅線&B種鉄柱または鉄塔を使う場合は除く。
最後の一文は余計だが、だいぶ分かりやすいと思う。
35kV以下の特別高圧架空電線路
■一般
硬銅より線を使うなら「断面積22mm2」
より線を使うなら「引張強さ8.71kN」
■市街地
硬銅より線を使うなら「断面積55mm2」
より線を使うなら「引張強さ21.67kN」
径間としては下記の通り。
■木柱
一般は「150m」
長径間は「300m」
市街地は「使用不可」
■A種鉄柱、A種鉄筋コンクリート柱を使う場合
一般は「150m」
長径間は「300m」
市街地は「75m」
■B種鉄柱、B種鉄筋コンクリート柱を使う場合
一般は「250m」
長径間は「500m」
市街地は「150m」
■鉄塔
一般は「600m」
長径間は「制限なし」
市街地は「400m」
特別保安工事
第1種から第3種まである。
第2種と3種はほぼ一緒と覚えてしまっても試験では良いだろう。※書きで微妙に違うのだが。
第1種
硬銅より線を使うなら「断面積55mm2」
より線を使うなら「引張強さ21.67kN」
第2、3種
硬銅より線を使うなら「断面積22mm2」
より線を使うなら「引張強さ8.7kN」
径間としては下記の通り。
■木柱、A種鉄柱、A種鉄筋コンクリート柱を使う場合
第1種「使用禁止」
第2、3種「100m」
■B種鉄柱、B種鉄筋コンクリート柱を使う場合
第1種「150m」
第2、3種「200m」
■鉄塔
400m