電験法規完全攻略

法規合格まで毎日学習しよう

電験の計算問題【裏技:選択肢から答えを求める粘り強さ】

試験直前の対策を一つ共有しておく。

 

大学入試を経験している方はご存じかもしれないが、その戦略は電験にも通用するので再認識しておくと良いだろう。

 

電験の裏技

2年前に自分は「戦略的に電験を攻略する」というコンセプトでTwitterや運営サイトを立ち上げた。

 

その際には「学問を学ぶ姿勢」という観点からコメントやメールを定期的に頂くことになった。

 

「ちゃんと学ばないとダメ」ということだった。

 

確かに法規一つをとっても、電気設備技術基準の解釈をきちんと読み解いて、理解して覚えていくことは良いことだと思う。

 

教科書を開き、1から学ぶことは良いことだろう。

 

資格試験で言えば、TOEICの研究をしている

 

ただ「学び方」を自分は議論する学者ではない。

 

時間のないサラリーマンが、家事に追われるサラリーマンが如何にして短い時間で、負荷を軽減させて試験に合格できるかを自分は考えている。

 

「在り方」など、試験に合格してから考えれば良い。

試験本番で足掻いて点を取る

以前の記事(電験3種には裏技/テクニックはあるのか【結論:近いものはある】)で裏技という質問にお答えした。

 

これは電験の「5肢選択」形式を逆に利用して、選択肢を狭めて正解確率を上げるという内容であった。(また、電力科目であれば、キーワードピックアップしてそこから知識を補填して、試験本番に出題される可能性の高い順に学習していくという戦略も含む。これで昨年、短時間でササっと合格した人がいらっしゃった)

 

この記事で紹介するのはまた別の戦い方だ。

スマートではなく、泥臭い戦い方。

とはいえ、自分は東大生!エリート!!などといったキラキラな人間ではないし捨てている。

そんなものはいらん、点をくれ!!!というスタイルを貫き通そうと思う。

自分はそんな講師を目指す。

本題に入ろう。

選択肢の答えを代入してしまう

これはエネルギー管理士といった「選択肢の多い試験」に非常な有効な手段と言われている。

 

15個、20個という選択肢があったとしても、実際、解こうとする問に関連する答えというのは絞ることができる。

 

それを逆手に取る。

 

そして、この戦略が通用するのは

「連問」の問題形式

である。

 

具体的にどうやるのかを紹介する。

 

ちなみに、自分はエネルギー管理士の電動機応用という課目でこれをして、2問分正解をしている。マグレな当たりだったが、そのマグレは幅を狭めて当てにいった結果であることは忘れてはいけない。

 

法規科目 平成29年問12

図に示す自家用電気設備で変圧器二次側( 210 V 側) F 点において、三相短絡事故が発生した。次の(a)及び(b)の問に答えよ。

ただし,高圧配電線路の送り出し電圧は 6.6 kV とし,変圧器の仕様及び高圧配電線路のインピーダンスは表のとおりとする。

なお,変圧器二次側からF点までのインピーダンス,その他記載の無いインピーダンスは無視するものとする。

変圧器定格容量/相数 300kV・A/三相

変圧器定格電圧 一次6.6kV/二次210V

変圧器百分率抵抗降下 2%(基準容量300kVA)

変圧器百分率リアクタンス降下 4%(基準容量300kVA)

高圧配電線路百分率抵抗降下 20%(基準容量10MVA)

高圧配電線路百分率リアクタンス降下 40%(基準容量10MVA)

 

(a)  F 点における三相短絡電流の値 [kA] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。

(1) 1.2  (2) 1.7  (3) 5.2

(4) 11.7  (5) 14.2

 

(b) 変圧器一次側( 6.6 kV 側)に変流器 CT が接続されており, CT 二次電流が過電流継電器 OCR に入力されているとする。三相短絡事故発生時の OCR 入力電流の値 [A] として,最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし, CT の変流比は 75 A/5 A とする。

(1) 12  (2) 18  (3) 26 

(4) 30  (5) 42

 

 

 

この問題は非常にマズイ問題ではある。

運営側のミスだ。数年前にもひそかに話題にはなっていたものでもある。

 

実はこの問題は(b)の数値を使って(a)を求めることができる問題なのだ。

 

通常の解くルートとしては

①%インピーダンスの基準を変圧器に合わせて実数分と虚数分を求める。

%Zの大きさを求めてしまうと良いだろう。どうせ短絡容量もしくは短絡電流を求める際に使うからだ。

 

②短絡電流を求める

短絡容量の求め方は「定格出力÷%Z」

短絡電流の求め方は「定格電流÷%Z」

どっちでも良い。自分は定格電流を使うのが好き。

※%Zは5%といった形なので、0.05で計算をすること。(消費税8%が分かりやすい。100円の物を買った際に108円支払う。100円×0.08=8円。これが100円×8だと大変なことになる)

 

一次側の定格電流を求めて二次側の定格電流を求めるというのが基本だろう。次の問題でも使えるし。

とはいえ、定格出力が与えられているので二次側の定格電流は簡単に求まるから一気に求めても良い。300kVA÷(√3×210V)とすればよい。210Vか6600Vだけの話だ。

 

③CT比を使って電流計算する

 

裏ルート

自分はエネ管でもなんでも連結している問題は確かめ算をするのだが、その裏の戦い方がある。

2問以上の問題が連結している場合、特に数学は目を光らせて問題を見つめた方がいい。

 

問題設定が共通しているようであれば、場合によっては答えが連結している場合があるということだ。

 

要は(a)の計算結果を使って(b)を求めるような問題である。

 

判別がつかない!という人がいるかもしれない。

今回の問題だと「三相短絡事故発生時」という条件設定が(a)も(b)も同じなのだ。

ここから読み取る。

 

(b)の選択肢から変圧器二次側の短絡電流を求めるのは簡単だ。

(b)の選択肢をCT比と変圧比を使って変換すれば、(a)の電流値は求めることができる。

 

大抵、2つぐらいセットになっていて、2択まで絞り込める。(勿論丁寧に作り込まれている問題は全選択肢がセットになっている)

 

この問題に限っては「答えが連結しているのが1つしかない」のだ。

 

答えは

(a)(5)

(b)(4)

となる。